現在国内に出回っている牛肉のうちで、国産牛肉はおよそ4割です。すなわち外国からの輸入牛肉が6割と、約3分の1を占めています。



肉牛1頭(体重700キロ)をつくるためには、トウモロコシや大麦などの穀類(濃厚飼料)を約5〜6トン(あか牛は4〜5トン)必要とします。しかしそのほとんどは、アメリカなどから輸入されたものです。国産のエサといえば、イナワラや牧草などの粗飼料ですが、これも最近では外国産のものが増えています。国産牛肉といってもその原料はほとんど外国産なのです。



世界中には何億という人が食料難で飢餓状態にあります。そういう人にとってトウモロコシや大麦などの穀類は貴重な食料なのです。日本では1kgの牛肉をつくるために20倍近い量の濃厚飼料を与えています。
牛は本来、人間の食料にならない牧草や飼料作物を食べて、立派に牛肉や牛乳に変えてくれる動物なのです。濃厚飼料一辺倒の日本の牛肉生産体系を、生産者も消費者も真剣に考え直す必要があるようです。



味のよい牛肉をつくるには、ある程度の濃厚飼料は必要ですが、1頭で5〜6トンというのはあまりにも多い量です。これを半分に減らして、残りのエサは牧草や飼料作物で置き換えることもできます。
牧草から牛肉をつくる代表選手が、我が「あか牛くん」なのです。環境に優しい牛と言われるのはそのためです。



牛肉はおいしい食品であると同時に健康的に優れた食品です。牛肉のおいしさは、肉の中の脂肪やたんぱく質の成分によりますが、和牛(あか牛や黒毛和牛)の肉がおいしいとされるのは、脂肪やたんぱく質のもとになる脂肪酸やアミノ酸の組成が大変優れているからです。これは輸入牛肉ではとうてい及ばない和牛独特の性質なのです。脂肪酸組成(不飽和脂肪酸)が優れたのは、健康的にもよく、ガンの抑制効果があることがわかっています。



現在、牛肉の品質を判定する要素としてシモフリ(脂肪交雑)の多いか少ないかがものさしになっています。
シモフリの沢山あるものが高級牛肉と判定され、高値で取引されています。そのため生産者もあらゆる方法をこらして、シモフリを沢山入れる努力をしています。濃厚飼料を沢山与え、ビタミン類の多い牧草などは意識的に制限しています。これもシモフリを沢山入れる目的からです。そうしてできた牛肉は見た目にはきれいな牛肉であっても、本当に健康食品と言えるのでしょうか。脂肪分が多くなると健康に悪いコレステロールも増えてきます。脂肪分はほどほどが大切であり、シモフリの多いものを高級牛肉と言う考えは改めるべきでしょう。あか牛の肉が健康牛肉と言われるのは、シモフリはほどほどで、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの肉の成分が優れているからです。



栄養価に富む牧草や飼料作物を制限して、輸入された濃厚飼料だけで飼育された牛肉を、消費者の皆さんはどう考えますか。

「あか牛くん」が消費者に自信を持ってお届けする牛肉は、健康志向を目指した牛肉ですから、見掛けよりも栄養価と味、そして安全、安心をモットーとした、まさに健康食品そのものなのです。